ルワンダと共に創る未来

DRIP POD JOURNAL

【Interview】Ruise B × DRIPPOD ルワンダと共に創る未来


ルワンダと共に創る未来

美しいルワンダバスケットと、その作り手であるルワンダ人女性Louiseとの出逢いから「Ruise B」を立ち上げた小澤氏と、UCC農事調査室 室長としてルワンダのコーヒー農園の土づくりから製品開発まで一貫して携わる中平。国や立場を超え、生産者と手を取り合い、同じ目線で「共に良いモノづくり」を行うということ。日本から遠く離れたルワンダの人たちと紡ぐ想いをご紹介します。

[対談]Ruise B 代表 小澤 里恵氏(写真:左) × UCC農事調査室 室長 中平 尚己(写真:右)

プロフィール

小澤 里恵(おざわ りえ)
Ruise B「ルイズビィ」代表取締役。
2009年2月(株)ルイズビィ設立。アフリカの生産者と契約し、大陸の生命力に溢れる色彩、伝統を受け継ぐ繊細な手仕事によるアフリカメイドアイテムをオリジナルで製作、フェアトレードにて日本のお客様へお届けしている。

中平 尚己(なかひら なおみ)
UCC農事調査室室長として、コーヒーの農事技術の研究・開発、指導、製品開発などを手掛ける。農園の土づくりから製品化まで、一貫して携わることも。コーヒーの個性を引き出した「最高の一杯」を、生産者の思いとともにお客様にお届けできるよう日々努めている。

「ルワンダ」と出逢ったきっかけを教えてください。

小澤氏
もともとインテリア関連の仕事の兼ね合いでアフリカン・フェア(展示会)に行ったことです。偶然目に入ったルワンダバスケットの、その繊細さと美しさに、まさに一目惚れ。(笑)
そのときに出逢ったのがブランド名にもなっているルワンダ人の「ルイーズ」でした。私と同じ2児の母でもある彼女は、ジェノサイド(※)で夫を亡くし、子どもを学校に通わせることもままならないといいます。深く話し込むなかで、日本の販売について相談されたことがきっかけでした。
とはいえ、当時はルワンダとの接点は目の前の彼女だけ。それでも、この美しいバスケットを多くの人に知ってもらいたいという想いで2009年に「Ruise B」というブランドを立ち上げ、試行錯誤を繰り返しながら今年で12年を迎えます。

(※ ジェノサイド…1994年にルワンダで発生した大量虐殺のこと。わずか100日間で100万人以上が犠牲になった。)

中平 
私は、2012年に、JICA(国際協力機構)の依頼でフイエマウンテン地区の調査を行ったことがきっかけでした。その後正式にJICAの一村一品運動に参画し、農園の皆さんや地域の方々と一緒に荒地の開拓などに取り組んできました。本当に思い入れのある地で、プログラム終了後も毎年ルワンダに通っています。

“ルワンダバスケット”と“コーヒー”。
それぞれの特徴を教えてください。

小澤氏
“ルワンダバスケット”は、ルワンダの女性たちによって受け継がれる伝統工芸です。綿密に編み上げられた美しい模様は、すべてが手作業。芯材となるイシンギ草に、耐久性に優れたサイザル麻から繊維を抽出して美しく染めあげたものを巻きつけていきます。ひと針ずつ柄のバランスを保ちながら、ひとつのバスケットが完成するまでに約1週間。オールハンドメイド、天然素材100%の環境にも優しいバスケットです。

中平
ルワンダではとても一般的で、人々の生活のなかでも、土産物屋でもよく目にします。印象的な柄にはすべて意味があると聞いたことがあります。

小澤氏
そうなんです!!個性的なデザインには、これまでのルワンダの伝統や平和への願いが表現されて、深い意味が込められています。

中平
願いを込めながら編むバスケットは、夫や息子など家族を失った女性たちの収入の面でも、心の面でも支えになっていたんですね。1994年に起こった内戦により多くの人が困窮した生活を強いられました。ジェノサイドで男性の働き手がいなくなり、コーヒー産業も量ではなく質重視の生産を行うようになりました。

小澤氏
ルワンダのコーヒーはとっても美味しいですよね!お土産でもよく購入していますが、家族や友人に大変喜ばれます。(笑)

中平
グリーンアップルやマスカットのような爽やかでフルーティーな風味が特徴です。ルワンダは国全体の標高が高く、昼夜の温暖差が激しい。土もミネラル分を多く含む火山灰性の赤土のため、身の引き締まった美味しいコーヒー豆になります。アフリカの中では、エチオピア・ケニア・ルワンダとスペシャルティコーヒーの中でもメジャーな存在になってきています。

遠く離れたルワンダと日本で取り組む“モノづくり”。
共に創るには困難も多かったのでは?

中平
最初はコーヒー“消費国”の日本から来た人間が、コーヒーの“生産国”に指導を行うということで穿った見方をする人もいました。ただ、私たちとしては他の生産国で当たり前のようにやっていることを、ルワンダでできることから提案していくということ。必要としているところに適切な情報を繋いでいくことが役割だと思っています。

小澤氏
肥料ひとつでも、貧しくて買えない人もたくさんいますよね。

中平
はい。まずは土壌作りからはじめましたが、いかに現地にあるものを活用するかということをまずは調査しました。肥料が買えないので、籾殻などをまぜこみ土の栄養分を補充したり、雨が少なくすぐ土が乾燥するので草木で地表を多い保水力を上げると行った内容です。すると、翌年は収穫量が2倍になったんです。

小澤氏
2倍に!!それはみんな喜んだでしょうね。

中平
はい。収穫量が2倍になるかということは、収入が2倍になるということ。生活が変わるという実感が原動力になり、私たちへの信頼にも繋がります。そうすると、更に可能性を見出すために、意欲的にチャレンジをします。みんなとても真面目で熱心なんですよ!今ではルワンダに足を運ぶのが楽しみになっています。(笑)

小澤氏
とっても分かります。私もバスケットを販売することを通して、女性たちの生活が変わるということを身に沁みて感じました。当初はきちんとした品質のものを安定的に供給できるようにするのも難しかった。
私が初めてルワンダバスケットに一目ぼれしたように、この商品の魅力をきちんと伝えられるような製品の開発・クオリティの維持を、彼女たちと共に挑戦してきました。1つのバスケットを販売したお金で、「家畜を購入できた」「病気が治った」「子どもの学費が払えた」。その声を聞くことが私にとって最大の喜びであり、この仕事の楽しみでもあります!

中平
「持続可能」であることはやはり大切ですね。品質の良いものを作り、お客様にお届けする(お客様が購入する) 、すると生活が変わりさらに良いものが生まれる…プラスのサイクルをどう生み出せるかですよね。
そこで、「ルワンダ フイエマウンテン」のカプセルは、販売で得た収益の一部を地域の共同貯水場(井戸)開発に充てる、という取り組みを行っています。お客様にも満足いただける良い品質のコーヒーを生み出すためにも水はとても重要ですし、地域住民の飲料水・生活用水としても使うことができます。安心・安全な水が身近にあることで、水汲みなどの労働を減らせますし、炊事や選択の負担軽減にもつながっています。

 

 

それこそが“持続可能”な社会への取り組みですよね。

小澤氏
ルワンダに行き、ともに仕事を行えるのは1年のうち長くても10日程度。そんな状況のなかで、「良い」モノづくりを行い、その魅力をしっかり伝え販売していくということは、女性たちと確かな信頼関係を築き、それぞれの役割をそれぞれがきちんと全うしていけるかだと思っています。

中平
持続可能な関係は、信頼関係に裏打ちされたものとも言えますよね。

小澤氏
はい。私の心の中に残る出来事で、やり取りを始めてから5年位経ったときに生産者の方から「色々な国の人が来るけど、こんなふうに続けてくれるのは『Ruise B』だけ。」と言われたことを覚えています。もともと社会貢献をしたいと思っている訳ではなく、私はただ自分が美しいと思うこの“ルワンダバスケット”をより多くの人に知ってほしいという強い想いがあるだけ。美しく、素晴らしい品質のものをつくり続ける人がいるからこそ、私はそれを多くの人に提案し続けたいと思います。

中平
特別なことをするわけではない。自分の価値観で自然に選びとったものが、ルワンダと私たちの未来に繋がっている、ということが「サスティナブル」な関係であり、“持続可能”な社会への取り組みと言えるのでしょうね。

小澤氏
この出逢いが私の人生を変えてくれました。だからこれからも継続をしていく。
バスケットをきっかけに、「ルワンダ」という国名を聞いたときに、ハイセンス・ハイクオリティというイメージが浮かぶようになるといいなと思います。日本にいるお客様の目にふと止まり心を和ませるとき、ルワンダの女性たちがひと針ひと針想いを込めて編み上げるとき、それぞれに満ち足りた想いを生み出させると信じています。

中平
私たちが自信を持ってお届けするものが、遠く離れたルワンダの人々と共に創る未来に繋がっていると思うと、すこしワクワクしますね。
生産者だけでなく、関わるすべての人々の手によって大切に育まれた「ルワンダ フイエマウンテン」コーヒー。ルワンダに想いを馳せながら、この素晴らしい味わいをお楽しみください。

ありがとうございました。

 


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