JOURNAL

コーヒー産地を訪ねて
アフリカ・エチオピア編
「コーヒーの発祥地」として知られるエチオピアは、世界第5 位のコーヒー生産量を誇る有数の産地です。古くから受け継がれる在来品種と伝統的な農法が、個性豊かなの味わいを生み出し、世界中のコーヒー愛好家から高く評価されています。
標高の高い山岳地帯、肥沃な火山性土壌、昼夜の寒暖差といった自然条件が、エチオピアコーヒー特有のフローラルな香りやフルーティーな風味を引き立てます。また、エチオピアコーヒーといえば「モカ」という名称を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。「モカ」とはいわゆるエチオピアコーヒーのことで、かつてエチオピア産のコーヒーがイエメンのモカ港から世界へ輸出されていたことに由来したと言と言われています。「エチオピア モカ」の代表産地は、シダモやイルガチェフェ地域です。ナチュラル製法による独特の発酵感とワインのようなコクが特徴のコーヒーが生み出されています。

エチオピアの個性豊かな味わい
エチオピアのコーヒーが世界的に高く評価される理由の一つは、品種の多様性です。エチオピアには何千もの在来品種(エアルーム品種)が自生しており、それぞれが異なる香りや味わいを持っています。これは他の生産国にはない特徴であり、エチオピア産のコーヒーが「フレーバーの宝庫」と称されている理由です。
また、エチオピアのコーヒーは主に小規模農家によって栽培されています。自然と共生した伝統的な農法が守られ、多くの農家が家族経営で栽培・収穫を行い、手作業で選別を行うことにより、高品質なコーヒーが生産されています。精製方法にも特徴があります。代表的なのが「ナチュラル(非水洗式)」と「ウォッシュド(水洗式)」です。ナチュラル製法では果実をつけたまま乾燥させることで、甘みやベリー系のフルーティーな風味が強調されます。一方、ウォッシュド製法では豆のクリーンな酸味と明るいフレーバーが際立ちます。

1. シダモ(Sidamo)
エチオピア南部に位置し、広大なエリアに渡ります。 高地に広がり、降水量が豊富で温暖な気候が特徴です。味わいは、 チョコレートやスパイスのニュアンスを感じる、バランスの取れた風味をもちます。
2. ジンマ(Jimma)
エチオピア西部の肥沃な森林地帯に位置しています。ミネラル分豊富な土壌と適度な降水量により、力強いボディのコーヒーが育まれています。味わいは、ダークチョコレートやスパイスのような風味、まろやかなコクのある味わいをもちます。
ジンマには、標高1,200~2,900m、総面積約16 万ヘクタールのベレテ・ゲラ森林保護区があり、貴重なフォレストコーヒー※が自生しています。1996 年にJICA(国際協力機構)の森林保全プロジェクトが始まり、持続的な保護活動が進められています
※フォレストコーヒー(Forest Co ee)とはエチオピアの天然の森に自生するアラビカ種のコーヒー。品種改良されておらず、野生本来の風味が特徴。南部・南西部の限られた地域でしか収穫されず、希少価値が高い。環境保全の観点からも注目され、一部はレインフォレスト・アライアンス認証を取得している。
3. ハラー(Harar)
エチオピア東部の乾燥地帯に位置する産地です。 比較的降水量が少なく、乾燥した気候が特徴。 コーヒーの精製方法は、ナチュラル(非水洗式)が主流で、ワイルドなフルーティーさ、ワインのような発酵感が特徴の味わいです。

スペシャルティコーヒー産地として
名を馳せるイルガチェフェ地方
イルガチェフェ地方は、国内外から高品質なコーヒーの産地として注目を集めるエリアです。エチオピア南部に位置し、固有の在来種が昔ながらの有機栽培によって育てられています。「イルガチェフェ」は「湿地と草原」を意味し、その名の通り、豊かな水源と標高2,000m 以上の寒暖差のある環境が特徴。ミネラル豊富な肥沃な土壌と昼夜の寒暖差が生み出す独特の風味が魅力です。
味わいの特徴は、ジャスミンやベルガモットのような華やかな香りと、柑橘系の爽やかさ、さらにマンゴーやパイナップルのようなジューシーな甘みで持つことです。この特徴的な風味をもつことから、スペシャルティコーヒーの中でも特に高く評価されています。

エチオピアならではの
個性的な味わいが楽しめる
「モカ& キリマンジァロ」
エチオピアモカのもつ、華やかなフレーバーが引き立つ、フルーティーな味わいのブレンド「モカ&キリマンジァロ」。アフリカを代表する産地である、タンザニア産のコーヒーをブレンドし、ベリーや柑橘といった様々なフルーツの果実味豊かな味わいに仕上げました。
ホットはもちろん、アイスコーヒーもおすすめ。オレンジのような甘い香りが際立つフルーティーな味わいをお楽しみいただけます。