JOURNAL

生産者の想いが伝わる美味しさを
「DRIP POD YOUBI」に搭載されたプロレシピは、コーヒーのさまざまな楽しみ方を広げてくれる新機能。このオリジナルレシピを考案したコーヒースペシャリストの皆さんに、「コーヒーを通して伝えたい想い」を語っていただきました。
今回は「ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ2014」での優勝経験を持ち、「優しいけれど記憶に残る味」を目指したレシピを考案してくれたUCC コーヒーアカデミー講師・土井克朗さんにお話を伺います。

ひと口目から最後まで
美味しい一杯に
コーヒーの講習会などでいつもお伝えしているのは、淹れ方や飲み方に「正解」はないということ。そして自分の好みを見つけて気軽に楽しんでほしいということです。
コーヒーは飲み物であると同時に、人と人が交流するハブにもなるし、空間や時間を豊かにしてくれたりするものでもあります。その一方で、色々な味わいを広げてくれるクリエイティブな楽しさや奥深さもあり、楽しみ方はまさに人それぞれです。
だからこそ、今回レシピを考案するにあたり、「飲みやすさ・バランス」を重視した親しみやすい味を目指しました。酸味や苦味が立った、好みの分かれる味ではなく、優しく、香りの豊かさが伝わる味をテーマにしています。
そしてもうひとつ意識していたのは「冷めても美味しい」ことです。コーヒーは温かいうちは香りがしっかりと立っているし、味の輪郭もわかりやすいのですが、冷めると雑味を感じやすくなるため、美味しくないと感じてしまうのです。つまり、雑味を減らしたクリアな味わいを目指すことで、美味しく楽しんでいただける一杯になります。むしろ時間が経つことよって、味わいも変化していきますから、飽きずに最後まで飲むことができると思います。食事やお酒はひと口目から最後まで楽しむことができますよね。コーヒーでもそういう楽しみ方をしていただきたいと考えました。

未来のコーヒーファンのために
私がコーヒーを淹れたり、コーヒーについてお話ししたりする時にはいつも「伝わること」を意識するようにしています。美味しいコーヒーを淹れるためには、抽出方法はもちろん大事ですが、まずはコーヒー豆という農作物がなければどうすることもできません。だからこそ、その豆の魅力を存分に引き出し、その美味しさをしっかりと伝えることが大切です。
その味を通して、生産者の想いごと伝えていきたいと思うんです。飲む方にとっても、この一杯が生まれるまでのストーリーに思いを馳せることで、コーヒーのある時間がより豊かなものになるはずですから。
コーヒーの多様な美味しさをお伝えすることで、産地や、コーヒーに関わる人々に還元していくことがこれからの目標です。コーヒーの生産やサプライチェーンがサステナブルになることは、未来にコーヒーを飲む楽しさを手渡すことでもあります。
今回はコーヒーを飲み慣れていない方にも楽しんでいただけるよう、親しみやすい味を目指したレシピが中心です。まずは難しいことは考えずにカップ一杯のコーヒーを楽しんで飲むことから始めていただければと思います。
【Profile】
土井 克朗(どい かつろう)
UCC コーヒーアカデミー講師
2005 年入社。上島珈琲店の店長やエリアマネージャーを経験した後、2014 年にハンドドリップの技術を競う「ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ2014」で優勝。その後、商品開発にも携わりながら、UCC 社内の認定資格である「UCC コーヒーアドバイザー」を取得。2016 年より現職。コーヒーにまつわる国際資格を多数取得し、UCC コーヒーアカデミーでセミナーを受け持ちながら、多数の製品監修やトレーナーを務めるほか、全国で講習会を開催するなど、コーヒーの啓蒙活動を行っている。