JOURNAL

コーヒー鑑定士監修
「鑑定士の誇り」開発秘話
世界最大のコーヒー生産国・ブラジル。“コーヒーの代名詞”として親しまれてきた味を土台に、ブレンドや焙煎によって変化する多彩な味わいを体験できるのが、UCC「鑑定士の誇り」シリーズです。ブラジルの個性を知り尽くし、その品質を守る“番人”であるコーヒー鑑定士。本記事では、シリーズの味覚設計を担う赤石 朋さんに、その役割と味づくりの背景を伺いました。

コーヒー鑑定士という仕事
――コーヒー鑑定士の役割を教えてください。
鑑定士は、コーヒーの品質を鑑定・格付けする資格を持つ専門家です。格付けは商品の価値に直結するため、社会的な責任も大きい。UCCでは原料の受け入れから製品化まで各工程で品質可否を見極め、狙う味覚に向けて焙煎やブレンドの方向性を監修します。今回の「鑑定士の誇り」でも、シリーズ全体の味づくりを担当しました。
※コーヒー鑑定士… ブラジルの資格制度で、コーヒー豆の買い付けや販売、輸出、相場感覚などの商業上の知識に加え、コーヒー豆の格付けをするための知識、ブレンド製造の技術を身に着けた者が取得することができる。現在では、サントス商工会議所の運営によって鑑定士養成学校が運営されている。ポルトガル語で「クラシフィカドール」と呼ばれます。

ブラジルのコーヒーは、「UCCクオリティ」の要
――UCCにとって、ブラジルのコーヒーはどんな存在でしょう。
ひと言でいえば、UCCクオリティの“要” です。安定して高品質のブラジルを調達できるからこそ、焙煎度合いやブレンドで多彩な味わいを設計できる。主力製品のベースとしての存在感も大きいですね。
ここで言う「UCCクオリティ」とは、輸入前から出荷後までの各工程で多段階検査を徹底する独自の品質基準のこと。これが、日々の一杯を安定しておいしく楽しんでいただくための土台です。

焙煎度・ブレンドが生む個性とは
―― 今回の味覚設計で、ブラジルのどんな個性に着目しましたか?
焙煎による風味の振れ幅です。たとえば焙煎度合いがやや浅めでは明るいフルーティさが出やすく、やや深炒り寄りではコクやナッツ感、キレの良い苦味が際立ちます。ブラジルはこのチューニングが効きやすく、狙いと仕上がりの精度を合わせやすいんです。
―― 単一産地でなく、あえてブレンドにする理由は?
産地の個性をそのまま届けるなら単一でも成立します。ただ、ブレンドすることで味わい全体に奥行きや立体感、余韻を設計できます。ブラジルの強みを核に据えながら、他要素とのバランスで日常的に飲み続けたくなる完成度へ近づける――それがブレンドの価値です。


「ミルクにあうブレンド」 開発の背景
― “ミルクに合う”をどう成立させましたか。
課題は、ミルクを加えてもコーヒーの風味そのものが薄まらないこと。そこで香ばしさ・コク・甘い余韻のバランスに絞って原料と配合を設計しました。ブラジル原料のみで骨格を組み、ローストアーモンドを思わせる香ばしさと芯のあるコクを強調。深炒りで苦味だけを強める設計ではなく、過度な苦味を抑えて香ばしさと甘みを立体的に出す方針です。ミルクを注ぐと輪郭がほどけて一体感が生まれ、甘い余韻がすっと続く。濃くいれても重くならないため、ブラックでもカフェオレでも心地よい飲み心地に整えました。コーヒーとミルクが出会った瞬間に “ひとつの味” としてまとまることを目標に、ブレンドと焙煎度を突き合わせて仕上げています。

鑑定士の誇り
ミルクにあうブレンド

日々のカップに、変わらないおいしさを
― 最後に、毎年味わいが変わるコーヒーを、どう安定した味わいに仕上げているのですか?
まずは厳格な基準を満たした原料だけを採用します。そのうえで産地の個性を見極め、ブレンドや焙煎でどんな表情を見せるのか味わいを探っていきます。
ブラジルは、産地や精選の幅、供給と規格の整備がそろい、設計の自由度と再現性が高い。親しみある原料であってもまだ引き出せる可能性の幅が広いところが魅力だと言えます。
“まだ出会っていない味”をひとつずつ形にして――その積み重ねを、これからも「鑑定士の誇り」としてお届けしていきます。




