JOURNAL
100%手摘みの
完熟チェリーが生み出す
甘い余韻
「ブラジル ラゴア農園」
ブラジル ラゴア農園は、現在の農園主であるアドルフォ・ヴィエラ・フェレイラ氏で3代目になる100年以上の歴史ある農園です。スペシャルティコーヒーの黎明期ともいえる1980年代からいち早く品質の向上に取り組んできました。
ブラジルのスペシャルティコーヒーを牽引
世界第5位の面積を擁するブラジルは、言わずと知れたコーヒー大国で、コーヒーの生産量は世界1位を誇ります。一方で、作付面積があまりにも広大であることから細かな生産管理が難しく、安定して高品質のスペシャルティコーヒーを提供することは難しいと思われていました。
そんな中、農園主であるヴィエラファミリーはブラジルコーヒーのアイデンティティを確立すべく、安定して高品質のコーヒーチェリー(熟したコーヒーの実)を収穫できるようにするなど、絶えず生産技術の革新を行っています。
100%手摘みによる高品質へのこだわり
常に高品質なコーヒーを供給するために特に重要なのは、収穫時のコーヒーチェリーの熟度を揃えることです。
収穫したチェリーの熟度の均一性が、コーヒーの品質に大きな影響を及ぼすためです。コーヒーが最も良い状態で収穫できるのは3-4日程度ですが、同じ木でも熟度に差があるため、一粒ずつコーヒーチェリーの熟度を見極めながら、完熟したチェリーのみを手作業で丁寧に摘んでいく( ハンドピッキング)必要があります。
しかし、この作業には手間暇と高い技術が必要で、ブラジルで大半を占める大規模農園の多くは手摘みではなく、全体の約7割のチェリーが熟したタイミングに機械で一気に収穫しています。効率がよいため収穫量は多い一方、未成熟の実まで一緒に収穫されてしまうこともあります。ラゴア農園は大規模でありながら、区画ごとに栽培する品種を植え分けて収穫期をずらしたり、完熟したチェリーのみを選別する機器を積極的に導入したり、熟練した技術を持つピッカー(摘み手)を永続的に雇用することで、完熟したチェリーのみをすべてハンドピッキングできる体制を整えています。このような体制はブラジルでは大変珍しく、アドルフォ氏が収穫量よりも、常に消費者・バイヤー・労働者の期待に応える品質のコーヒーを提供することを重視しているからこそです。
サステナブルな環境を構築し保持するために
高品質なコーヒーを安定して届けるためには、栽培環境、労働環境の持続可能性も非常に重要です。ラゴア農園は、全体の約3割を豊かな水源が織りなす森林地帯・湿地帯が占め、豊富な生態系が息づいています。それらを保全することで、病害虫対策にも役立つため農薬の仕様削減にも繋がり、スペシャルティコーヒーの持続可能な生産に理想的な環境を実現しています。また、持続可能な労働環境の実現のために、農園労働者との永続的な関係を構築しています。完熟したチェリーだけを手摘みするには熟練したピッカーの技量が欠かせず、広大な敷地のメンテナンスを行うには知識を持った農園技師が必要です。季節労働になりがちな収穫に携わる労働者を通年雇用するなど、永続的な雇用を提供することにより、労働者が医療などブラジルの社会福祉システムへ参加できるようになるとともに、農園としては有能な人材の確保につながります。さらに、現在農園労働者23家族に住宅を提供しているほか、衣服やその家族の学用品なども提供するなど、福利厚生、生活環境に至るまでサポートしています。
味わいの特徴
ヘーゼルナッツやカカオニブのようなミルク感のある苦味をもちながらも、スウィートオレンジを思わせる明るい酸味が特徴的。クリーミーな舌触り、甘くて少しほろ苦いカラメルのような甘い余韻が長く続く味わいのコーヒーです。
ブラジルラゴア農園の風味を活かした「オータムブレンド」
2024年秋限定のスペシャルティカプセル「オータムブレンド」は、ブラジル ラゴア農園のもつ味わいの特徴を活かし、ブレンドのベースとして使用しています。
香ばしいナッツのような風味に質感はクリーミーで長く甘い余韻がつづく、秋の訪れを感じさせてくれる、風味豊かなブレンドに仕上げています。