JOURNAL

DRIP POD開発ストーリー
【マシン・カプセル編】
“日本人の舌に合う、ドリップコーヒーを届けたい”という開発当時からの想いが繋いだ、マシンとカプセルの開発ストーリーをお届けします。
もはや人間より緻密、正確
ドリップとは、英語で滴る(したたる)の意味。お湯にコーヒー豆の成分を浸透させ、一滴一滴に味わいをうつします。その時欠かせないのが、抽出する「速さ」です。ゆっくり細くお湯をおとす、理想的なスピードを実現するため、インスタントヒーターのまわりにらせん状に送水管を配置。さらに、静かにゆっくり水を送るポンプを採用しました。蒸らしに使うお湯の量、蒸らし時間、抽出速度…。何度も試行錯誤し、コーヒー鑑定士も納得する、最適な条件を見つけ出しました。誰でも必ず同じ味で抽出できる機能は、むしろ人間より緻密で正確。再現性のあるドリップマシンが誕生したのです。

最適な湯温を、ぴったりにつくる
コーヒーの味わいを決める最後の一歩、「抽出」。甘味・苦味・酸味など、おいしい成分を引き出す大切な工程です。なかでも重要なのは、お湯の温度。高すぎると苦味が強くなり、低すぎると深みのない味わいになってしまいます。そこで開発エンジニアが目をつけたのが「インスタントヒーター」でした。急速に温度を上げたヒーターで、水を少量ずつ温めることで、最適な湯温ぴったりに加熱できるようになりました。もちろん、紅茶やお茶も、理想の温度で抽出できるよう に。紅茶は茶葉が踊りしっかりとした味わいに、お茶は苦味を抑え甘味を立たせます。それぞれに適した蒸らし時間の調整、抽出に最適な温度の出し分け。目には見えないところに詰まっている、テクノロジーの秘密です。

小さな円は、お湯の案内役
コーヒーの粉面に対して、まっすぐにお湯をおとすのも、ドリップで大切なポイントのひとつ。中心にゆっくりお湯 が注がれることで、コーヒー全体から成分をまんべんなく抽出することができます。そのためにドリップポッドで採用したのが、フィルター天面にある小さな丸い円。実はこれは、お湯がまっすぐ通るための案内役をしています。何気なくある丸い模様にも、実は大切な役割があるのです。 ※特許第5869164号

半円形に込められたおいしさの秘密
豆本来の味わいを引き出したおいしいコーヒーをお届けするために、カプセルにおいては、まずコーヒー粉を入れるフィルターづくりからはじめました。数ある素材のなかから選んだのは「不織布」です。お湯がコーヒーの中を通り抜ける速さを計算し、布の目の粗さを幾度も検証。そして、フィルターすべてを不織布にすることで、全体からお湯が均一に抜けるように工夫しました。素材選びの次に考えたのは「形」。中のコーヒーにストレスをかけない、ゆるやかなカーブを描く半円形にいきつきました。手のひらにコロンと収まるサイズは、“最高の一杯”から逆算した豆の量と、それらがしっかりとふくらみ、「蒸らし」が出来る“スペース”をもたせた、考え抜かれたサイズと形状です。