COFFEE COLUMN

コーヒーのプロが検証|
コーヒーの味は水で変わる?
硬水と軟水で飲み比べ
一杯の味わいを決めるのは、コーヒー豆や焙煎、淹れ方だけではありません。実は、その大部分を占める「水」も、味わいに大きく関わっています。同じカプセルでも水を変えるだけで味わいの印象の違いはどのように表れるのでしょうか。今回は、UCCコーヒーアカデミーの専任講師が一般的な浄水(軟水)と硬水を使い、これからの季節に楽しみたいアイスコーヒーにおすすめの4種類のカプセルを飲み比べました。水によって引き出される味わいの違いを検証します。
※UCCコーヒーアカデミー:UCCが運営するコーヒー専門の教育機関。スペシャリストぞろいの講師から、初心者からコーヒーを仕事にしたい人までコーヒーのことを楽しく学べます。神戸校、東京校のほか、オンラインセミナーも開催中。
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コーヒーに影響する、
水の硬度とは?
水の硬度とは、水に含まれるカルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)の量を表したものです。一般的に、硬度の低い水は酸味をすっきりと感じやすく、硬度の高い水は苦味やコクが出やすいといわれています。
〈水の硬度分類〉
超硬水:180mg/L 以上
硬水:120 ~ 180mg/L
中程度の軟水:60 ~ 120mg/L
軟水:60mg/L 以下

検証方法
今回の検証では、水そのものの違いが味わいにどう表れるのかを確かめるため、水以外の抽出条件はすべて同じにそろえました。用意したのは、普段の暮らしの中でも取り入れやすい一般的な浄水(軟水)と、コンビニやスーパーで手に入るミネラルウォーター(硬水)です。抽出は、氷を入れたグラスをセットし、マシンの「COFFEE/ICED」で。カプセルは、味わいのタイプが異なる4種類をセレクト。やわらかな酸味や軽やかな印象を楽しめる「モカ&キリマンジァロ」と「鑑定士の誇り フルーティーアイス」(※2026年春夏限定)、そして、苦味やコクをしっかり味わえる「マンデリン&ブラジル」と「鑑定士の誇り アイスコーヒー」です。
| カプセルの種類 | 検証結果 | 硬水 おすすめ度 | まとめ |
| モカ&キリマンジァロ | 軟水: 酸味がクリアでバランス◎ 硬水: 酸味が強まり、全体のまとまりが弱くなる | △ | 香りや酸味を楽しむなら軟水が最適 |
| 鑑定士の誇り フルーティーアイス | 軟水: すっきり軽やかな味わい 硬水: 水っぽい印象でコーヒーらしさが弱くなる | △ | 香りや酸味を楽しむなら軟水が最適 |
| マンデリン&ブラジル | 軟水: バランスよく飲みやすい 硬水: すっきりとしたキレが出る場合も | ◯ | コクや飲みごたえを強めたいなら硬水も選択肢に |
| 鑑定士の誇り アイスコーヒー | 軟水: バランスよく飲みやすい 硬水: 苦味が強く出て、重厚な印象 | ◯ | コクや飲みごたえを強めたいなら硬水も選択肢に |
硬水でも比較的楽しみやすかったのが、「マンデリン&ブラジル」と「鑑定士の誇り アイスコーヒー」でした。苦味やコクを持つタイプは、硬水によって印象が引き締まり、また違った表情を見せてくれます。

一方で、「モカ&キリマンジァロ」と「鑑定士の誇り フルーティーアイス」は、硬水にするとフルーティーさや軽やかさが感じにくくなる傾向がありました。こうしたタイプは、軟水で淹れるほうが、その魅力をよりまっすぐ楽しめそうです。


まとめ
今回の検証から分かったのは、水はコーヒーの味わいを大きく変えてしまうものではなく、淹れ方と同じようにその魅力をどう引き出すかに関わる存在だということでした。軟水で淹れたコーヒーは、全体にバランスがよく、香りや酸味もすっきりとした印象に仕上がります。カプセルそれぞれの個性を、素直に楽しみたいときにぴったりです。それに対して硬水は、味わいの変化がより大きく表れました。カプセルによってはまとまりが弱くなる一方で、コクや苦味を楽しむタイプでは、より輪郭のあるしっかりとした味わいにつながることもありました。
いつもの一杯を心地よく楽しむなら、まずは軟水から。気分を変えたいときや、少し違った表情を試してみたいときには、硬水を選んでみる。そんなふうに水を使い分けてみるのも、これからの季節のコーヒー時間をより豊かにしてくれそうです。


