COFFEE COLUMN
コーヒーの風味を引き立てる
カップの選び方
コーヒーの味わいは、立ち込める香りや舌の感覚だけでなく、温度やカップとの相性など、たくさんの要素が重なって生まれます。カップの形状や厚みが違えば、口の中での液体の広がり方や口当たりなども変わってきます。コーヒーをおいしく味わうための、カップの選び方をご紹介します。
1
チューリップ型カップ
【形状】リムが少しすぼまっていて、下に向かって広がる形。
【特徴】舌先から舌の側面へとスムーズにコーヒーが流れるため、酸味と甘味のバランスが引き立ちます。
【相性の良いコーヒー】中炒りのコーヒーや、酸味と甘味のバランスが良いコーヒーに適しています。華やかなフレーバーを楽しめるため、エチオピアやケニア産のコーヒーと相性が良いです。
2
広いリムのオープンカップ
【形状】上部が広がっていて開放的なデザイン。
【特徴】コーヒーが舌全体に広がりやすく、香りを豊かに楽しめます。
【相性の良いコーヒー】フルーティーで酸味のあるコーヒーや、香り豊かなスペシャルティコーヒーに最適です。広いリムはコーヒーの香りを鼻腔に運びやすく、味わいがより鮮明に感じられます。
3
タンブラー型のストレートカップ
【形状】縦に長く、リムが比較的狭いストレートな形状。
【特徴】コーヒーが口の奥に流れやすく、ボディ感と苦味を強調します。
【相性の良いコーヒー】深炒りで濃厚なコクのあるコーヒーに適しています。苦味や深みのある風味が強調され、満足感のある飲みごたえが楽しめます。
4
デミタスカップ
【形状】小ぶりで縁が少し厚めのカップ。
【特徴】熱を保持しやすく、エスプレッソなどの濃縮されたコーヒーに適しています。
【相性の良いコーヒー】エスプレッソやリストレットなど、濃厚でクリーミーなコーヒーに最適です。リムの厚さが口当たりを良くし、コーヒーの濃厚な質感を楽しめます。
舌の味わいの感じ方
舌は味覚を感じ取る器官で、味の要素である甘味、酸味、苦味、塩味、旨味を感知します。これらの味覚は、舌全体で感じることができますが、舌の特定の部位によって敏感に感じ取れる味覚が異なります。
●舌の先端: 甘味を強く感じる部分です。フルーティーで甘いコーヒーには、ここを活かすカップの形が適しています。
●舌の側面: 酸味を感じやすい部分です。シトラスやベリー系の明るい酸味を持つコーヒーには、側面への流れを促すカップが合います。
●舌の奥: 苦味を感じる部分です。ダークチョコレートのような苦味や深いボディを楽しむコーヒーには、ここに飲み物が届きやすい形状のカップが適しています。
カップの選び方は、コーヒーの味わいを最大限に引き出すための重要な要素です。自分のお気に入りのコーヒーに最適なカップを見つけることで、日々のコーヒータイムがより一層豊かなものになるでしょう。ぜひ、カップ選びにもこだわってみてください。