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UCCハワイ直営農園で知った、コナコーヒーのおいしさ 

UCCハワイ直営農園で知った
コナコーヒーのおいしさ

世界三大コーヒーのひとつに数えられるコナコーヒー。その価値は、厳格な基準だけで守られているわけではありません。長い収穫期間、完熟だけを選ぶ手摘み、日々の管理──そこに、この土地ならではの風土が重なって、コナコーヒーの味わいが育まれています。 
そのおいしさの理由を確かめるため、商品開発担当が今回初めて直営農園「UCCハワイコナコーヒー・エステート」を訪れました。

溶岩地から始まった

直営農園「UCCハワイコナコーヒー・エステート」 

UCCがこの地に直営農園を設立したのは1989年。農地をつくるために溶岩地を開墾し、水を引くための灌漑(かんがい)設備を整えるなど 、現地パートナーとも連携して品質づくりを続けてきました。こうした取り組みは1993年にハワイ州政府機関から表彰を受けたこともあり、いまではコナの地で品質づくりを支える拠点になっています。 

フアラライ山の裾野
風の通る農園へ 

農園があるのは、コナ国際空港から車で約30分。フアラライ山の裾野、標高460m付近です。コナの街並みと美しい海を一望できる丘に広がっています。 

敷地内には売店も併設され、コナの空気を感じながらコナコーヒーの魅力を体験できる場所になっていました。 

最初に向き合うのは、一本の苗 

まず体験したのは、植え付け作業。根の伸長の障害になる硬い溶岩を掘り起こしながら50㎝ほどの深さまで土を掘り、等間隔に植えます。苗を植える前に大切なのが、健康に育ちそうな根がまっすぐと伸びた苗をきちんと選ぶことでした。ここで判断を誤ると、約4年後の収穫量にも影響が出てしまう。最初の工程ほど慎重さが求められることが分かります。 

完熟だけを摘む
手仕事の収穫 

ハワイコナの収穫は、1月から4月頃に花が咲いたあと、8月から翌年2月にかけて行われます。 
ハワイのコーヒー栽培では、完熟した赤い実だけを一粒ずつ丁寧に手摘みするのが一般的です。まだ青みの残る未成熟のチェリーは糖度が低く、最終的なカップ品質にも大きく影響します。だからこそ、収穫の現場では「どの実を摘むか」がとても重要です。目の前の一粒一粒の熟度を見極めながら、品質の良いコーヒーを届けたいという思いで摘み取っていく―
そんなピッカーさんたちの仕事の重みを感じました。 

今回の研修では、参加した5人で3時間かけて約35kgのチェリーを収穫しました。完熟した実だけを選んで摘み取る作業は想像以上に繊細で、根気のいる仕事です。収穫は単なる作業ではなく、その後の味わいを左右する大切な工程なのだと実感しました。 

摘み取ったコーヒーチェリーは、その後、精選工程へ進みます。まず水槽で比重選別が行われ、重く沈んだチェリーが果肉除去の工程へ送られます。 
印象に残ったのは、その果肉除去の工程を目の前で見たときのことです。量がぐっと減っていく様子が目に見えて分かり、35kgのチェリーから最終的に生豆になるのは、わずか約6kgほどだと知りました。一粒のコーヒーが手元に届くまでに、どれだけ多くの実と手間が必要なのか、その重みが数字とともに伝わってきます。 
さらに、この精選工程で生まれる副産物が、循環する仕組みになっていることにも驚きました。選別ではじかれたチェリーは規格外品として活用され、果肉除去に使った水は浄化して再利用。取り除かれた果肉も畑の肥料として生かされています。品質を追求するだけでなく、環境にも配慮した仕組みが整えられていることに、現場の誠実なものづくりの姿勢を感じました。 

収穫から精選までの流れを目の当たりにして、一粒のコーヒーには想像以上の手間と時間が込められていることを改めて知りました。その積み重ねこそが、コナコーヒーならではのおいしさを支えているのだと思います。 

収穫までを支える
日々の手入れ 

生産現場では、植え付けから収穫までの間、成長に合わせた日々の手入れが欠かせないことも学びました。気候変動の影響や病害虫などのリスクと向き合いながら、おいしさと品質を守るための管理や工夫が続けられています。なかでも印象的だったのが、さび病への対策です。ハワイでは2020年までさび病の発生が確認されておらず、いったん侵入すると根絶が難しいとされています。葉の裏に赤さびのような斑点が現れ、葉が落ち、深刻な場合は木そのものが枯れてしまうこともある病気です。農園では農薬散布に加え、人の移動によって広がるのを防ぐため、立ち入りを制限する区域を設けるなど、慎重な管理が行われていました。 

また、収穫の裏側では、樹の成長や状態に合わせて枝を切り戻し、木の勢いを整える「カットバック」も行われていました。枝が伸びすぎたり、実をつける力が弱くなったりした木をそのままにせず、次の収穫に向けて健やかに育て直すための大切な手入れです。 

コナの土地と手仕事がつなぐ一杯を味わって 

一杯のコーヒーが手元に届くまでには、植え付けから収穫、精選・選別を経て輸出に至るまで、およそ4年の時間がかかると言われています。品質を守るための取り組みと、恵まれた栽培環境。日々の手入れや収穫のひとつひとつには、「良い状態で届けたい」という、農園に携わる人たちのまっすぐな思いが息づいていました。 
その一杯を口にするとき、この土地の風や積み重ねられてきた手仕事にも思いを巡らせながら、飲み終わったあとの余韻まで味わっていただけたらうれしいです。