JOURNAL

UCCのサステナブルな
コーヒー調達への取り組み
「コーヒーのある、あたりまえをこれからも。」
UCCグループは、自然環境と人々の暮らしに配慮した「サステナブルなコーヒー調達」に取り組み、2030年までに自社ブランド製品の100%を対象とすることを目標に掲げています。ドリップポッドは、2025年9月、全ての定番コーヒーカプセルを同基準の原料に切り替えリニューアル※1しました。今回は、コーヒーの世界でいま何が起きているのかを入り口に、UCCが進める「サステナブルなコーヒー調達」の仕組み、そして産地から届いたリアルな声までを、一杯の背景にある物語を届けます。
※1 ドリップポッドの「サステナブルなコーヒー調達」ロゴは、サステナブルに調達されたコーヒー豆を50%以上使用した製品に表示されます。配合比率は製品により異なります。
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いま、コーヒー産業を
取り巻いている課題とは?
2050年には気候変動の影響により、コーヒーの栽培に適した土地が現在の約半分にまで減少すると予測されています。主な要因は、気温の上昇や降水パターンの変化によって病害虫が増加し、収穫量の減少や品質の低下を引き起こすことにあります。加えて、世界のコーヒー生産の約80%を支えるのは、小規模農家の方々だと言われています。国際相場の影響で収入が安定しづらく、若い世代が農業を継がないケースも増えており、農園の高齢化や後継者不足が進めば、この先も安定してコーヒーを届けるのは難しくなってしまいます。環境と人の両面で、見過ごせない変化が起きているのです。

「サステナブルなコーヒー調達」に
よって描くコーヒーの未来
UCCグループが進める「サステナブルなコーヒー調達」は、こうした課題に向き合う取り組みのひとつです。森林保護や労働環境の整備など、生産地における持続可能性をテーマにした26の重点チェック項目を設定し、それらを満たした原料のみを「プレミアム(支援金)」を上乗せして購入する仕組みを採用しています。これらの基準を満たした、「サステナブルなコーヒー調達」原料を使用し製品としてお客さまにお届けすることで、「コーヒーの2050年問題」にアプローチをしています。 “環境にやさしい”にとどまらず、生産者の暮らしを守りながら、おいしさと安定供給を両立させることをめざしています。
産地のいま、
広がるポジティブな循環
2022年以降始まったこの取り組みは、3年を経て着実に広がっています。サステナブルに調達された原料は年々バリエーションが増え、いまでは世界各地の産地から仕入れが進んでいます。
その土台には、私たちの想いに共感し、共に歩む調達パートナーや生産者の存在があります。
UCCは、コーヒーの生産・加工・取引における環境および社会の持続可能性の推進を目的とした世界的組織「GCP(Global Coffee Platform)」に賛同し、GCPに認められた調達システムを持つパートナーと連携して、サステナブルなコーヒー調達を推進。たとえばofi※2の自社プログラム「AtSource※3」もそのひとつです。今回は、この枠組みのもとで取り組むブラジルの生産者に、プログラムへの参加の背景からこれからの展望まで、お話を聞きました。
※2 ofi: コーヒーを含む食品原料のグローバルサプライヤーで、産地支援とサプライチェーンのサステナビリティ向上に取り組んでいます。
※3 AtSource:ofiのサステナブル調達プログラム/プラットフォーム。産地までのトレーサビリティとサプライチェーンの透明性、データに基づく評価・第三者検証を提供し、リスク特定や改善計画の実行を支援する。

“良質なコーヒーをつくるには“時間”が必要だと知ってほしいのです。雨の季節を待ち、手入れを重ね、実らせて収穫し、乾かして精製し、届けて、焙煎して挽く――その積み重ねが一杯になります。”
――エリゼウ・マルコス・デ・ソウザ
(Eliseo Marcos de Souza)
2019年に農園を購入し、ゼロからの学びを積み重ねてこられたエリゼウさん。品質を磨く道を探す中で認証取得を目指してofiに相談したところ、提案されたのがAtSourceプログラムでした。トレーサビリティの確保にとどまらず、農事指導やプロセス改善の支援が受けられる点にも大きな魅力を感じ、参加を決断されました。 参加後は樹の扱い方や収穫の見極め、収穫後の管理、加工までの工程が改善され、「次は収穫から後工程(精選・乾燥など)の知識と計画をもっと高めたい」と 話します。

“コーヒーがどのように作られているのか、その品質と伝統、そして文化としての価値を理解し、正当に評価してほしいのです。”
――ヴァレリア・クリスチーナ・デ・リマ
(Valéria Cristina de Lima)
曾祖父の代から続くコーヒーづくりを家族で受け継いできたヴァレリアさん。家族の想いを受け継ぎ「自分たちの手で続ける」と決意し、プログラムへの招待をきっかけに参加されました。コーチやチームの支援によって「正しい道を歩けている」という確信を得たといいます。導入後は運用面の見直しが進み、地域の実情に合わせて他作物(トウモロコシや大豆など)との連携も視野に。めざすのは、自然を尊重しながら安定生産できる持続可能な農園。コーヒーを中心に地域の暮らしが回る風景を守り、次の世代へつなごうとしています。

“一杯のコーヒーには、手間と愛情が詰まっていることを知ってほしい。”
――ラウロ・セルジオ・ザニン
(Lauro Sérgio Zannin)
祖父から父へ、そして自身へと受け継がれてきた農園を守るラウロさん。支援チームのガイダンスに魅力を感じて参加を決意されたそうです。導入後は現場の整理や日々の段取りが改善し、その変化は近隣農園にも広がっています。今後は農園でどのような資材を使うか、気候条件への向き合い方など、農学的な指導を強化したいと語ります。目標は、樹木や果樹、動物が共生する多様性のある農園で、高品質のコーヒーを安定的に生産し続けること。子どもたちも関心を寄せはじめ、次の担い手へと確かなバトンが見えています。
それぞれの声から見えてきたのは、伴走する支援が現場の小さな改善を生み、その積み重ねが“よりおいしい一杯”と、生産に関わる人たちの確かな誇りへとつながっていることでした。カップの向こうには、時間と手間、そして地域の暮らしが確かに息づいています。いつもの一杯が、産地と人をつなぐ力になりますように。わたしたちは、コーヒーでそのつながりを育てていきたいと願っています。


